ハンガリー料理2007年12月01日 16:05

 12月1日(土)

 会社の同僚に昔、ハンガリー料理を学んだと云う鉄人がいる。
当時は結構有名な職人さんで、一時は独立開業し、好い時代も過ごして来た人だが、何故か現在私と同会社に勤務しており、親しいお付き合いをさせてもらっている。
彼がハンガリー料理を学んでいた頃は、まだ日本国内で他にハンガリー料理が食べられるお店はなかったそうだ。現在でも、近県併せても4件くらいしかない様なので、恐らく我々食に携わる者と謂えども、そう易々とは口に出来ない料理なのかも知れない。
ところがつい先々月、嫁の実家に向う途中で、『ハンガリー料理』と云う看板のあるお店を見つけてしまったのである。
この店がまた隠れ家的もいいところ。のんびり店前を散歩していてもスルーしてしまいそうなくらいである。
「なんでこんな場所にハンガリー料理屋さんが??」
何しろ、もう婆さんの代からその辺りに住む嫁の実家ファミリーだが、誰一人としてそのお店の所在を知らなかったと云うのだから、よっぽどだ。因みに、嫁の実家からそのお店までは凡そ300mである。
新しくできたお店なんじゃ?と云うのでネットで調べてみたが、ここ一、二年でオープンした店ではなさそうだ。
 で、本日嫁の実家に用事があったのと予定を調整して、そのお店に行き、ランチをご馳走になって来た。
元々メニュー数は少なく、ランチもディナーも週代わりメニュー。コース料理スタイルだ。
ハンガリー料理と言えば差し詰め、グヤーシュ(牛肉のスープ)、トゥルトゥットゥカーポスタ(ロールキャベツ)だと同僚より伺っていたのだが、残念、今週のメニューには両方とも無かった。

私はAランチ:
豚肉ロールフライ・茸ソース添え(ハンガリー人気レストランのメニューだそうだ)、ディル風味のライス、マッシュポテト、人参のグラッセ、ザウワクラウトや大根のピクルスが乗ったサラダ、飲み物が付いて1700円。
嫁と義兄はスペシャルランチ(A、Bランチを半量ずつの内容):Aランチ半量プラス、パプリカーシュクルンプリ(パプリカとトマトを用いた赤いスープで野菜、じゃが芋を煮、焼いたソーセージが乗せられるポトフっぽい料理。恐らくクミンシードや辛味のあるスパイスが加えられている。見てくれや国のイメージとは裏腹に、インド料理っぽい風味。じゃが芋を崩して食べるのが王道らしい)、焼いたフランスパン、デザート(嫁はシュークリーム、義兄はチョコレートケーキをチョイス)、飲み物が付いて2100円。

 お味の方だが、私の食べた豚肉ロールフライは、ちょっとお肉の下味が強かった気がした。これに茸のクリームソースだとしょっぱい。単品ならOKだったかも?
ディル(恐らくドライ。シードではない)のかかったライスは初めて食べた。食えなくはないなと思った。
ザウワクラウトは、ドイツやオランダやハンガリー辺りではお馴染みの食材だ。本来はキャベツを醗酵させて作るらしいが、このお店のは甘酢に漬けたものかな?日本人にも食べやすい柔らかい風味だった。大根の酢漬けはワインビネガーを使ったのだろうか?酸味にパンチがあって美味しかった。
デザートは全て手作りだとか。4種類くらいある中からチョイスできるのだが、私が味をみた二品は結構甘め。パンチが効いて私好みだった。

 本当に隠れ家的な店でありながら、店内は満席(20席くらいかな?)。ちょっとセレブな雰囲気の奥様達で賑わっており、窓側の席で読書をしながらカフェを楽しむ男性は、ちょっとインテリな感じ。
我々はと云えば、メニュー一品一品を分析しながら薀蓄をたれる私と、行儀悪くギャーギャー泣き叫ぶわが娘、マイペエスな嫁と義兄。多分、店の雰囲気をぶち壊す嫌な客だったろう。
だが、帰り際には、「今度はきっと、ディナーに来ます」なんて言って店を出て、店の前で記念撮影。超ご機嫌。なんと厚かましい事か。我ながらそう思う。
 心残りはやはり、代表料理が食べられなかった事だ。
私もロールキャベツは得意だが、ハンガリーのロールキャベツはトマト味とは限らず、どちらかと言えば、赤パプリカペーストやザウワクラウトで煮込む事が多い様だ。挽肉に、風味付けをし硬めに炊いた米、サワークリームなどを混ぜる点は、ロシア料理のソレと近いかな。
 私は、飲食店は味や物珍しさだけでは判断しない。店の雰囲気で店主の好みが判るものであり、その好みに自分も心地好さを感じられるかどうかと云う点や、勿論清潔感、従業員の態度など、あらゆるサービス面を評価する方である。
いくら美味かろうが、押し付けがましい頑固オヤジの拘り店とか、そうした類を売りにしている店は、全く持って論外だと思っている。
そんな事も加味した上で、私は、この店にはまた行くつもりである。
写真は店内、娘が愚図り出す間際のショットである。

トゥルトゥットゥ扁桃腺2007年12月09日 07:44

 12月8日(土)

 気温と湿度の低下で大分風邪が流行っている様だ。実は私も昨日辺りから喉が痛くて、のど飴すら舐めたくない気分。喋るのが億劫で、あまりにも会話の返答が「う~ん」だの「判った」だのとシンプルなもので、嫁に「つまらない男だな」とイヤミを言われたが、弁解するのがまた億劫なので懇ろだ。
 
 さて、私の流行と云えば、先週のハンガリー料理だ。
同僚Oに先週の体験を語ると、また新しい情報をくれたので、そのうちブログでも小出しにしていこうと思う。
ところで、Oが担当する小学校では、Oの提案が適って、先月、ハンガリー料理を生徒達に提供し、大盛況だったそうだ。『グヤーシュ』を回転釜で作る機会が来ようとは、流石のOも思わなんだ事だろう。
私も長い事大量調理を生業として来たが、回転釜で作りあげた料理は、店や家庭のガスレンジと鍋、若しくはフライパンで作る料理とは一味も二味も違う。想像以上に美味しく出来る場合が多い。
火力や圧力がポイントで、家庭やお店での小さい鍋を使った場合のそれと比べて、好い具合に食材に火を通すからであろう。御飯だって、ガス炊飯器で大量に5~6kg炊くと、同じ米でも全く美味しく感じる。
特に、回転釜によって作られた煮込み料理は、(大人になっては、そう食べる機会はないだろうが)美味しいものだ。ひょっとしたら、お子さんの通う小、中学校で食べさせてくれる機会があるかも知れないので、是非その時は食べてみていただきたいものだ。(まあ、給食会社の力量も大きいので、ハズレの場合もあるだろうが・・・)
 学校給食は、豚や鶏の骨を使ってスープを取る事が多い。カレーやビーフシチュー、クリームシチューなどはちゃんと薄力粉を煎ってルーを作るし、ほぼ化学調味料類は使用しない。デザートもほぼ全て手作りだ。
そこいらのラーメン屋で、基本ができていないオヤジが取るスープとは比べ物にならない程の良質なスープを使って、料理を作る訳である。
時々、昔からある定番メニューから逸脱した、巷流行メニューや今回のOの様に提案したメニューを取り入れてもらえる場合もある。
さて、昔専門で作っていたメニューでも、回転釜を使って、大量に作る経験が出来るのは嬉しい反面、緊張もする。先に述べた様に、想像以上に美味く出来る場合が多いので、どんな仕上がりになるか楽しみでもある訳だ。
で、Oは大成功ハンガリー給食を生徒達に提供できたそうである。
それにしても、本格のハンガリー料理を学校給食で食べられるとは、なんと幸せな生徒達だろう。私も食べてみたかった。
 
 そんな話を聞いたばかりだった所為か、ちょっと私も感化され、今日はトゥルトゥットゥカーポスタ(ハンガリー名:ロールキャベツの事)もどきを作ってみた。ロールと云うか、私のはミルフィーユである。茹でたキャベツ~練った挽肉~キャベツ~肉・・・と数度重ねて、圧力鍋で煮てゆく。
話戻るが、回転釜の仕上がりと近いのが圧力鍋での調理である。なので、我が家では圧力鍋調理は頻繁である。
今回のロールキャベツはちと変り種。まず、お肉は鶏挽肉を使い、コンビーフを混ぜて種を作ってみた。炒めた生米は薄っすらカレー風味にして加え、サワークリームを多めに混ぜた。スープはホールトマト缶(少なめ)、白ワイン、水、塩のみだ。本当はザウワクラウトを入れて煮てみたかったのだが、計画なく調理しだした為、写真のような仕上がりとなった。
 他に、今日ゲットしたアルゼンチン産赤海老のクリームパスタ(リングイーネ使用)、牛シャブとルッコラの胡麻ダレサラダ、コーンポタージュなどを作った。どれも美味。食べたい時に食べたいものを家族と食す。これぞ究極の料理だと思う。「トゥルトゥットゥ~」と歌いながら、娘の顔を眺めつつ(時々嫁の顔も)の夕餉は幸せの瞬間であった。
 飲み物は、フランス産の安スパークリングワイン。これがまた、腫れた扁桃腺に刺激的だった。
 
 余談だが、写真のスープ皿は私のお気に入りである。ボーンチャイナとナルミのコラボ商品で、柄と好い、形、サイズと好い、食事を一双美味しくしてくれる。我が家の食器コレクションの中でも、特に大切にしたい逸品である。

浅草羽子板市2007年12月19日 19:29

 12月19日(水)

 仕事帰りに羽子板市に寄ってみた。浅草の羽子板市と云えば、毎年あちこちのテレビでも紹介されるほど有名だ。
ところが昨年は、娘が産まれたばかりだと云うのに、全くそんな行事がある事を知らず、しかも、羽子板に女の子の健康や発展を願う謂れがある事すらよく知らなかった始末である。全く、無知な自分に呆れる。
私の母が、「来年こそは買ってあげな、お金は出してあげるから」と云うので、実は今日の寄り道は、見学だけではなく、好いモノがあれば買う気満々だった訳である。
 浅草寺の境内はかなり広いので、沢山のお店が出ていたが、よく見ると同じお店が何箇所も手掛けている様だった。
羽子板の値段やモノの見極め方など何も知らなかった私は、一つのお店にターゲットをしぼり、結構図々しく質問をしながら、しかし結局そのお店では買わず、安売りの始まった隣のお店で買ってしまったのだった。
羽子板市は今日が最終日で、しかも時間帯も終わりに近づくとかなり値段を下げてくれると云う情報は、職場のパートさん達からも聞いていたので、まあ計画通りと云えば計画通りだ。
で、羽子板のランクだが、勿論大きさもあるが、どの部位にどんな素材を使っているかが決め手らしい。差し詰め、簪が柘植で造られたものかどうかはポイントだとか。あとは着物の内側の綿にどんな素材が詰められているかとか、顔つき(目の瞳など)に職人の思いが込められるんだそうだ。
 売る側は職人さんだから、買うコツとしては、好みの商品が決まったら、それを褒めながら、あまり持ち合わせがない事をアピールすると好いだろう。
そこいらの出店商売と違って、全くしつこい押し売りはしないので、そうそう大きな値下げは期待できないが、逆にそう云う店ほど丹精を込めた商品造りをしていると云う事なのかも知れない。

娘の羽子板2007年12月19日 20:00

 これが、本日私がゲットして来た娘の羽子板だ。
勿論柘植の簪、着物の内側は綿、鼓や扇子もしっかりした素材でできている。
売っていたオヤジ曰く「本当は16000円で売ってた商品だよ」だそうだ。ちゃんと裏には16000円の値札がついているのを見せてくれたから本当なんだろう。
それがなんと「半額8000円でいいよ」と言うから、「じゃ、ちょっと財布の中身確認してみる」と言ったら、「じゃあ、お兄ちゃんだけ特別7000円にしてやるよ」と言うので、「買います」みたいな流れになった。
つまりは半額以下になった訳だ。こちらから交渉した訳ではないのに、どんどん値を下げてくれて、流石浅草商人だなと思った。顔つきを見れば、買う気があるのか、その気ないのかが判ってしまうのだろう。
兎も角、この大きさ(隣に置いた携帯電話と比較して)、造りで7000円は相当好い買い物だったと思う。娘へのご利益もきっと大きい筈だ。ラッキー、ラッキー!

忘年会で朝帰り2007年12月22日 17:33

 12月22日(土)

 昨夜、鶯谷にある『笹の雪』と云う豆富料理店の座敷を借り切って、会社の忘年会が行われた。
このお店、結構古くて、その道では有名店らしいが、実際に食べに行った人の話を聞くと、誰しもが「一度行ったら充分だ」と応えるので、あまり期待していなかったのだが・・・それを上回るガッカリな料理内容だった。
私の前の会社の同僚が、やはり以前に豆富料理店で働いていた経験があり、一度そのお店に連れて行ってもらった事があったが、月とすっぽんだ。
まあ、値段でコース内容に差があるのは判るが。しかし、今回の幹事に聞けば、結構高値のコースにしたのだと言う。だとしたら、歴史や名前だけでやりくりしているお店なのだろう。今のご時世、そんなサービス精神じゃ恐らく先はあるまい。忘年会と謂えども、我々も同業種だから美味しいものを食べたい気持ちが強い。総じて今年は場所の選択ミスだな。皆の意見と同じく、私がこのお店に自ら行く事はないだろう。
 忘年会は二次、三次と続き、気が付けば終電はなく、更に始発が動き出していた。もう私も若くないので、こんな無茶をしたら翌日動けなくなるに違いないと思っていたら、本当に動けない。
 今日は娘の許婚が遊びに来る予定だったのを思い出したので、この辺で失礼。

2年ぶりの家族旅行は箱根2007年12月25日 10:01

 12月23日(日)

 ほんと久しぶりに家族旅行に出かけた。娘が産まれてから初めての旅行だ。場所は箱根である。
 私は草津あたりの酸性に偏った泉質が苦手だ。皮膚に合わないと言うのだろうか、ピリピリと痛くて長く漬かっていられない。それに比べ、箱根あたりのアルカリに偏った泉質は肌に優しいので、昔からファンである。
とは云え、箱根の湯は十数年ぶりだ。社会人になってすぐに、学生の時の友人に連れられ、湘南の海で遊んだ帰りに回り道して寄ったのが最後だ。
 今回は小湧園ホテルに宿泊である。もう大分前から、小湧園はリニューアルしてユネッサンと云う大型レジャー施設になり、一日楽しめる大型温泉だと噂には聞いていたのだが、中々遊びに来る機会がなく、今回たまたま嫁が会社の同僚から宿泊の割引チケットをもらったと云うので、予約をしたところ、連休でクリスマスイヴだと云うのにラッキーな事に空きがあったのである。しかもその割引チケットは、通常の半額以下で宿泊&朝食付き。ユネッサンの入場割引と館内食事券付きだから、殆どお金が掛からないのに充分楽しめる旅行となった。
 夕飯くらいは贅沢にと、ホテル内の和食レストランでコース料理を楽しんだ。
前菜は、アン肝のポン酢掛け、白身魚竜田揚げと根菜の和え物、マグロカルパッチョサラダ仕立て。
次に、煮大根の上に鰤の照り焼きが乗って出てきた。
一人前ずつの紙鍋で鶏団子煮、海老グラタンと続き、鮭御飯、味噌汁、漬物で占めと云うコース。
デザートは和食には似つかわしくないが、苺のムース。下に薄くスポンジ、上にジェルが塗られフルーツがトッピング。
全体に濃い目の味付けだった。
 写真はホテルのフロアーに飾られたクリスマスツリー前で撮ったもの。娘はまだクリスマスとか判らないので私の出番はないが、あと数年もしたらサンタクロースに化けなくてはならないだろうか。

このブログについて

私の作成するホーム頁『匂山人の有卦に入る』から分化したモノです。ですから、主なネタは妖怪、料理、音楽、家族、仲間、犬などになってます。
私に興味を持ってしまった奇特なアナタ、時にジンワリ、時にニンマリしてみてちょーだい。
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